食道楽 ━KUIDORAKU━

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京味
「京味」

●住 所/港区新橋3-3-5
●電 話/03-3591-3344
●訪問日/2008年1月7日(月)
●入店時間/19:00
●オーダー/おまかせ×2
●会 計/73,500円


 新年最初の京味訪問日がやってきた。この日は店の方も新年初日ということもあってか、私が入店したとき既に店内は盛況であった。大将の西さんも大変ご機嫌の様子で新年の挨拶をご丁寧にして頂きいつもの席に腰を下ろす。カウンターの向こう側では例によって8人程の料理人がいつになく活気に満ち溢れた様子で各々仕事をこなしている。そこにはいつもと変わらぬ独特の緊張感と空気が流れている。さて、新年初日の料理はどんなものが出てくるのか楽しみだ。

この日の献立

●雑煮
寒い身体に先ずは温かいものを・・・との配慮と、正月に相応しい一品としてこの日最初に供された料理は雑煮であった。 甘口の白味噌仕立てにて供された京風雑煮は、具に海老芋、京人参、大根、それに餅が入る。昔から京都では、家長である男の雑煮には頭芋を、女性の雑煮には海老芋をという慣わしがあるらしいが、大将曰く「最近では男が頭なのか女性が頭なのか分からなくなってきましたので、柔らかくて美味しい海老芋を入れときました。」と笑顔で・・・
私にはやや甘すぎる感がするものの、具材のひとつひとつに丁寧な仕事が施されており雑煮ひとつにも抜かりがない。奥深い味わいに身も心も暖まる一品である。

●先付
煮鮑・菜花のおひたし・なます
薄くスライスした煮鮑は味が浸み込み柔らかくて美味。旬の菜花のおひたし、なます、共にに申し分のない味である。

●越前蟹
先月、ボイルにて供された越前蟹は、この日は生の刺身で供された。今が旬の越前蟹は甘みがあり共に添えられた蟹味噌とともに頂く。


●ずいきの小椀
京味では定番となるずいき(芋茎)の含煮小椀。出汁で柔らかく煮たずいきにとろみを加え、最後におろし生姜を少々落とす。椀の蓋を開けたときに湯気とともに生姜の香りが立ち、とろみのある出汁からずいきを取り出して頂く。ずいきの独特の歯ざわりと食感がなんとも言えぬ味わいである。

●天ぷら
白魚と芹の二種で供された天ぷらはサクサク軽い揚がり具合で何もつけずに食して旨い。
●造り
この日の造りは、鯛、河豚、めじマグロの中トロである。鯛と河豚は京味定番のかわはぎの肝入りポン酢で頂く。ポン酢のさっぱりとした清涼感とかわはぎの肝のエグみのないまったり感が絶妙にマッチして美味!めじマグロの中トロは山葵と醤油で頂く。こちらもあっさりとしていて旨い。

●お椀
透明で透き通った出汁の中に見える具は、京人参、極小蕪、海老真丈、そして一番上には下が透き通って見えるほど極薄にスライスされた聖護院蕪が乗る。出汁はいつもながらしっかりしていて上品で旨い。椀の中の具はその素材のひとつひとつが良質であることは言うまでもないが、全ての具材に手間がかけられており、流石京味といえる非常に完成度の高い椀である。

●焼き物
焼き物は、河豚の白子と伊勢海老の二品が供された。
一口大に切り分けられ軽く塩を振って焼かれた白子が二つ。絶妙な焼加減で供された白子は外は芳ばしく中はとろけるようにまったりとしていて美味。
伊勢海老は食べやすい大きさに形を整え、そこに伊勢海老の味噌と甘口の白味噌とを混ぜ合わせ、たっぷりと塗ってから焼き上げる。プリプリした伊勢海老の食感と濃厚な味噌のコクと甘みに思わず顔がほころぶ・・・

●炊合せ
椀の蓋をとると、立ち昇る湯気とともに野菜の甘くて優しい香りが心を落ち着かせてくれるようだ。中身は、丸大根、ほうれん草、京人参、それに鴨ロースが入り上から出汁の利いたあんかけがかかる。こちらも完成度の高い一品だ。

●牛煮
この日、京味では珍しく肉料理が供された。
やや厚切りの極上和牛二枚が青菜、麩、長葱と共にやや甘口の出汁でさっと煮て供される。柔らかくて脂の乗った和牛は白飯と共に頂く。あまりの旨さにペロッと平らげてしまう。このとき添えられた香の物は、千枚漬け・赤蕪・大根・しば漬け二種。特に千枚漬は出色である。

●くずきり
この日のデザートはくずきりを頂くことに。
いつもながら目の前で手作りにてつくられるくずきりは黒蜜の椀に入り供される。さっぱりした甘さで美味!


 新年初日の京味は、この店に通うファンたちによって大いに盛況な一日であったようだ。いつもながら思うことであるが、四季折々に旬の味覚を尽くした和の匠の味を堪能させて頂き、感謝の気持ちで店を後にした。
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