食道楽 ━KUIDORAKU━

“食”に対する飽くなき探究心から更なる高みを求め至福の食道楽の道へ!!
銀座 かつぜん
銀座 かつぜん

●住 所/中央区銀座六丁目8-7 交詢ビル4F
●電 話/03-3289-8988
●訪問日/2008年1月11日(金)
●入店時間/20:45
●オーダー/アラカルト(下記参照)
●会 計/36,575円


 この数日間何かと会社が慌ただしかったので慰労の意味も込め、いつも遅くまで仕事をしている部下二人に声をかけ、少し遅めの晩飯をとろうと交詢ビル4階の“かつぜん”を訪問した。かつぜんはカウンター9席と小上がり3〜4名程度の小さな店だが、私達が店に着いたとき丁度先客が引上げるところでタイミングが良かった。

●通し
大根の白和え・ほうれん草の胡麻和え
平凡な品で家庭料理の域である。

●蟹の酢の物×3
越前蟹・春菊・しめじ
どの素材も褒められたものではなく、酢が弱いので締りが無い。



●自家製漬物盛合わせ
大根・人参・蕪・白菜・胡瓜の糠漬けに薄切り大根の柚子巻きが入る。この漬物は普通に旨い。



●季節のサラダ(温製)
サラダの素材は、トマト・人参・蕪・ブロッコリー・パプリカ・カリフラワー・アスパラなどが用いられ、香ばしい胡麻風味のドレッシングがかかる。素材として使われている野菜はどれもこれも質的に平凡な品であるが、ドレッシングの味は印象的に残るものである。



●冷奴×3
五右衛門豆腐の絹ごし冷奴。まぁ普通。

●出汁巻き卵焼
甘過ぎる。女性向けか・・・



●左)とんかつソース/右)にんにくと胡麻ねぎのソース
かつぜんでは二種類のソースが供される。写真左のとんかつソースはいまひとつ。というより旨くないというのが率直なところか。
右側はかつぜんオリジナルのにんにくと胡麻ねぎのソース。こちらは甘口なのでこれだけでは厳しいが、これを小皿などに取りとんかつソースと辛子を溶き合わせると不思議といける味に変化する。



●黒豚ヒレかつ×3
時間的なせいもあってか、口元へ近づけると揚げ油の酸化臭が鼻につく・・・
使用している豚肉の肉厚と旨味はそこそこである。が、付合せのきゃべつは下の写真で見ての通り切り方からして雑であり、一皿5,300円のとんかつの皿に乗る代物ではない。



●食事セット
この店ではコース料理以外には白飯と味噌汁がつかないので、食事セットとして別に注文しなくてはならない。白飯は旨い。味噌汁は合わせ味噌でとんかつには弱い。

【かつぜんの主なメニュー】

◆割烹コース/7,500円
◆黒豚とんかつコース/9,000円
◆イベリココース/12,000円

◆黒豚ロースかつ/5,000円
◆黒豚ヒレかつ/5,300円
◆リブロース生姜焼/5,000円
◆ロースかつ/3,800円
◆ヒレかつ/4,300円
◆季節のサラダ/1,800円〜
◆酢の物/900円
◆出汁巻卵/900円
◆自家製漬物盛合せ/1,200円
◆冷奴/1,050円
◆食事セット/1,050円
※上記全てにサービス料が別途加算される

 今回の訪問はこの店のオープン当初以来の再訪であった。当時は高級なとんかつ屋がオープンしたとの噂を聞きつけ興味本位で訪れてみたが、そのときの印象としては何の取柄もない店との記憶であった。が、今回はそれが確信となる。
池袋からこの地に移転し“とんかつ割烹 かつぜん”と店名まで変更したようだが、銀座で割烹と名乗るには力量的に大変無理があるように思う。特にとんかつ以外の料理に関して言えば出てくる品はどれも家庭料理の延長線上のようなものばかりで、素材そのものに対する目利きや拘りが全く感じられない。料理として客に供するための素材を吟味することは勿論だが、料理人の味覚と技量を鍛え直すことが先決である。また、カウンター席がメインのこの店では取分け気の利く給仕がいるわけでもなく、ただのとんかつ屋が全ての料理にサービス料を課すというのも頂けない。それもこれも背伸びをしてこのようなコストのかかる場所へ出店してしまったため、それが料金に反映し、結果としてそのしわ寄せが客に押付けられているということだろう。

この店では唯一、黒豚のヒレ肉(ロースは不明なので要調査)は一般的なとんかつ屋よりもそこそこに良いものを使っているし、また白飯と漬物は合格点なので、基本の揚げ油の管理を徹底し、味噌汁とソースを見直せば、あえて“とんかつ割烹かつぜん”などと背伸びをせず、身の丈に合った土地で“とんかつ かつぜん”として適正な価格で料理を提供する方が客からも喜ばれ商売も繁盛するのではないだろうか・・・と思うのは私だけか。
いずれにせよ、現在この店が提供している料理とサービスの内容は客が支払う料金に見合っていない。
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