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越前三国 川喜
越前三国 川喜

●住 所/福井県坂井市三国町中央2-2-8
●電 話/0776-82-1313
●訪問日/2008年1月12日(土)
●入店時間/14:30
●オーダー/おまかせ×2
●会 計/85,050円


 この日は福井に出張が入り、ならば今が旬の北陸の冬の味覚の王者である越前蟹を頂かねば・・・と“川喜”の暖簾をくぐった。
川喜は福井の三国港で水揚げされる旬の魚介を扱う店として有名で、以前から機会があれば一度訪問したいと思っていた店である。

引戸を開け玄関へ入るとご主人自ら迎えて頂き、部屋まで案内して頂く。川喜では40名程の大部屋と通常の座敷が4部屋あるそうで、私たちは8畳程の部屋へ通された。程なくひとの良さそうな女将が現れご丁寧な挨拶をして頂く。事前の電話にて料理の内容は伝えてあったのでこちらは黙って運ばれてくるのを待つだけである。

広く世間一般に“楚蟹(ズワイ蟹)”と呼ばれている蟹は実は、地域によって呼称が異なり、北は北海道から富山・石川辺りまでがオス蟹を「楚蟹(ズワイ蟹)」と呼びメスは「香箱蟹」と呼んでいる。そのすぐ下の福井ではオスが「越前蟹」、メスを「せいこ蟹」と呼び、更に下へ降り山陰地方になるとオスを「松葉蟹」、メスを「親蟹」と呼んでいる。ちなみに漁期はオスが11/6から3/20、メスは11/6から1/10までと定められており、この日はメスのせいこ蟹を食せる今シーズン最後の週末であった。

●甘海老
前日に水揚げされたという甘海老は非常に色艶も良くひと目でその上質さが覗える。写真からも分かるように大量に卵を抱えており味の方も絶品。



●ひれ黒鰈の潮煮
鰈はとても柔らかくさらりとした脂がのり旨い。
透明で透き通った出汁はあっさりと薄い塩加減ながらコクと旨味がありこれがまた旨い。



●せいこ蟹
茹でたて熱々の状態にて登場したせいこ蟹


甲羅の中には鮮やかで濃いオレンジ色をした内子と蟹味噌が・・・茹でたての熱々がたまらなく旨い。



●越前蟹
箸の進み具合を計りながら、メインの越前蟹が茹で上がる。この蟹で18年ものとのこと。
蟹はただ茹でればよいというものではなく、蟹の質や杯数により水と塩の分量、火加減と時間の調整が肝要であり、これは長年の経験から得られるものであるという。下の写真のように茹で上がった蟹が立っている状態(おいたときに角度がある)が良い蟹とされているらしい。黄色いタグは三国港で水揚げされた越前蟹のブランドとしての証明。


川喜では茹でたての蟹を解体するのにハサミや蟹用のスプーン&フォークなどは一切使わない。脚の中にぎっしりと詰まった身を食するには関節ごとに手でへし折り、つけ根側の太い方を口にくわえ逆側から足の先(細い方)を押込み一気に口の中へ押出して食するのである。この食し方には慣れないと少々戸惑うが、一〜二度練習するだけでいとも簡単にできるようになる。こうすることで、茹でたての蟹の身と蟹汁を余すことなく頂けるというわけだ。女将曰く、「蟹は冷めると一気に風味が落ちてしまうので、熱々のうちに素早く召し上がって下さい」とのこと。


オスの甲羅はメスの三倍ほどの大きさで卵こそないが、蟹味噌は濃厚で旨い。こちらも熱々のまま頂く。写真にある白い部分は蟹のエキスと体液からなるもので、寒くなり蟹自体の旨味が増してくると増えてくるという。豆腐のような食感でクセやエグ味もなく淡白な味わいながら美味!



●雑炊
〆の雑炊は蟹の茹で汁を使用してつくられる。ここまで蟹三昧であったため、あえて蟹の出汁の風味は抑えた薄味仕立てに仕上げてあるとか。具は筍、三つ葉、長葱、海苔などが入る。とてもあっさりしている。



 ここまでゆっくり約二時間の越前蟹尽くしであったが、噂に違わず、質、量ともに満足のいく内容であった。特にご主人の目利きによりこの日供された越前蟹は立派なもので、ご当地ならではの新鮮な蟹を熱々の茹でたてで頂く醍醐味は価値のある経験であった。また、人柄の良い女将の丁寧な対応と給仕にも感謝したい。
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