食道楽 ━KUIDORAKU━

“食”に対する飽くなき探究心から更なる高みを求め至福の食道楽の道へ!!
由松
「天ぷら 由松」

●住 所/中央区銀座8-2-3
●電 話/03-5537-5950
●訪問日/2007年4月7日(土)
●入店時間/19:10
●オーダー/おまかせ×2・ビール2本
●会 計/60,434円



 8丁目の電通通りに面したNTTビルの真裏、人通りも少ないひっそりした路地のなかほどに由松はある。その佇まいからは一見天ぷら屋とは想像しにくいなんとも言えぬ趣きがあり、銀座では近藤と並び称される天ぷらの名店として有名である。が、味、趣き、価格、全てにおいてこちらが優勢である・・・
由松のルーツは昭和27年に先代が京都から銀座に出店した‘京星’という店に端を発しており、日本で最初に天ぷらを塩とレモン汁で食べさせた店として知られている。由松という店名の由来は2002年9月当時のリニューアルオープンにあたり、現在のご主人が先代の榊原由松氏に因んで冠した店名とのこと。

この日は地方から大切な客が来ていたので、東京で何か旨いものを食べさせたいと思い当初は日本橋茅場町のみかわへ連れて行こうかとも考えた。しかし、店の雰囲気等を考慮しやはり由松を選択した。
予定の時間よりも早目に到着してしまったので引戸を開け店内を覗いてみると、おかみさんが「どうぞ・・」と親切に通してくれた。
由松の店内は天ぷらを揚げるご主人を囲むように配置された白木造りのコの字型カウンターが向かって右奥から3席・中央4席・左側2席の計9席のみで、私達の中央二席以外は全て先客で埋まっていた。この日の客層はというと右側の端からリッチな雰囲気の家族連れが5人座っており、左端にはやはりリッチな感じの中年のご夫婦が二人で座っていたので、私達は丁度カウンター中央付近のご主人のほぼ正面に陣取ることになった。他の食事なら静かなテーブル席や座敷でゆっくり食べる方が良いが、寿司と天ぷらだけはカウンターで頂くのが最も旨い食し方である。更に欲を言えばその道の名人と称されるような職人の店ではその仕事ぶりを間近に観察できるという点からも店の主人の目の前の席が特等席であるといえるので、私の客が初来店にしてご主人榊原充三氏の目の前の席へ腰を下ろせたことは幸運であった。

由松の天ぷらは基本的に素材が透き通って見えるほど衣が薄いのが特徴である。故に衣が吸収する油の量が極めて少なく、素材そのものの良さが引立っていて旨い。種も一口サイズの小ぶりなものに統一されており、これを天つゆを用いずにパウダー状の特製塩とレモン汁でさっぱりと頂く。客の箸の進み具合と呼吸を取りながらご主人がひとつひとつ揚げていくわけだが、気付くと軽く種数20〜25くらいは胃袋の中へ収まってしまっている。
ご主人曰く、食材は特に旬のものにこだわりがあるとのことで半月毎に仕入れる食材も変化していくそうだ。この日も旬の山菜や根菜、魚など新鮮で上質な種物をたくさん揚げて頂いた。
食事は毎度天茶を頼んでいたのでこの日は天丼にした。大量の天ぷらで腹は張っていたが何とか天丼は完食した。最後のデザートは由松定番のくずきりを頂きたかったが、胃袋に余裕がなかったので泣く泣く諦めることに・・・

天ぷらで一杯になった腹を撫でながら店を出ると、いつも通りにご主人とおかみさんが表まで見送りに出てくれた。



手打ちそば いけたに-02-
「銀座 いけたに」

●住 所/中央区銀座7-5-15 蒲田ビル1F
●電 話/03-3571-3471
●訪問日/2007年4月4日(水)
●入店時間/20:40
●オーダー/きんぴら牛蒡650円・茹でホタルイカ800円・辛味大根のしらすおろし850円・
  寄せ豆腐650円・玉子焼650円・天ぷら盛合せ2,700円・合盛そば(生粉打ち/田舎)
  1,800円・とろろそば1,300円・ビール×1本700円・焼酎×2合1400円
●会 計/11,500円

 電通通りをぶらぶら歩きながら「何かさっぱりしたものが食べたいな・・・」と王子と話しながらこの日もまた‘いけたに’の暖簾をくぐった。いけたにについては以前もこのブログで紹介しているので細かいことは省くことにする。ただ、この日も、しかもこの時間で私の好物の厚揚げが売切れだったことに軽いショックを受けたということだけは記しておきたい・・・

※田舎そばと生粉打そばの合盛そば


いけたにでは田舎そば・生粉打そば・並そばの三種類のそばが食せる。合盛はこの内から好きな組合せの二種類のそばが食せるので一度で二度旨い思いができる。ちなみにそれぞれのそばに関する説明書きがあるので以下に記しておこう。

●並そば
つなぎ粉一割(季節によって多少増減します)の九一そばです。細切りを致しております。細切りならではの喉越しの繊細な味わいをお楽しみ下さい。細打ちのため麺が早くのびますのでお早めにお召し上がり下さい。

●生粉打そば
そば粉100%のそばです。そばの実の中間(二番粉)を主としたそば粉で打ったものです。香り味わいを十分お楽しみ下さい。

●田舎そば
そば粉100%のそばです。そばの実を全部使った挽きぐるみの粉を使って打ったそばです。太打ちを致しております。歯応え・風味をお楽しみ下さい。お酒を召し上がりながらも時間と共に甘味がじわじわと出てまいります。

とのこと

※甘過ぎず辛すぎずさっぱりした味付けの玉子焼



駒形 前川



「鰻・蒲焼 前川」

●住 所/台東区駒形2-1-29
●電 話/03-3841-6314
●訪問日/2007年3月31日(土)
●入店時間/19:05
●オーダー/前川(コース料理)×2
(先付・通し・板うに・白焼・う巻・うざく・茶碗蒸・蒲焼・吸物・ご飯・お新香・水菓子)
●会 計/12,600円×2

 浅草雷門からほど近い駒形橋のたもとにこの店はある。前川は江戸後期より続く創業200余年の老舗で、この界隈では有名なうなぎ屋だ。
一階の玄関で靴を脱ぎ、二階の座敷へ上がると眼下には隅田川が流れ、そこを屋形船が往来するという眺めはこの店の売りでもある。二階の座敷は二十畳程あって、先客は4組いたが窓際の眺めの良い席に通された。
この日も相棒である娘を連れていたので、お勧めのうなぎ懐石風‘前川’を2つ注文。仲居さんから「お食事は蒲焼とお重とどちらになさいますか?」と尋ねられたのでいつもながら私は蒲焼で娘はうな重を頼んだ。

先付とお通しがすぐに出された。この日の先付は蛍烏賊の塩辛風でお通しはしめじと青菜の和え物である。次に板うにが出てくる。板うにとは二枚のかまぼこに解凍したうにとわさびが添えられた料理で、うにとわさびをかまぼこで挟んで食すというものである。ここまで至極平凡で特に料理に対するコメントは無い。お次は白焼にわさびが添えられ土佐醤油が付いて出された。うなぎの白焼はそれ自体どうと言うこともないが、土佐醤油との相性は良かった。そこからう巻・うざく・茶碗蒸と続くがどれも平凡で老舗名店の名に相応しい料理とは言えない。ここまでの所要時間は入店してからちょうど一時間程度だ。



さて、次はいよいよ主役の蒲焼の登場である。見た目の色艶厚みはとても良く旨そうな蒲焼だ。うなぎに箸を伸ばす前に肝吸をひとすすりしてみる。薄味の吸物だ。だがこれも旨いとは感じない。出汁の利きが不完全であるばかりか、逆に何か独特な出汁のとり方をしているようで吸物自体の味に少しクセがあるためそれが宜しくない。
ここで初めて蒲焼を一口頂く。さっぱりしていて、焼き・蒸し共に悪くない。だが、その両方ともに田川が優勢である。次にタレをかけて一口頂く。もう一口・・・旨い。このタレはさらっとしているがうなぎの味を引き立てる役割をしっかり果たしている。どうやら巷で前川のうなぎが旨いといわれる理由はこのタレにあるよだ。
最後に山椒をふってみる。んー、、山椒は風味が半分失われている状態だ・・・
口直しにご飯を頂く。炊上がってから一定の時間を経過してはいるものの普通に食せるがやはりうな重に合う米である。お新香はカブの浅漬けだがこちらにも特にコメントは無い。

前川でうなぎを食する機会があったなら、“蒲焼”か“うな重”を単品でオーダーすべきである。残念ながら懐石風の他の料理は全て平凡なものでなんの感動もなくただ腹だけが膨れていくという印象だ。この点については下町の庶民的な小料理屋あたりでももっと気の利いた小鉢料理を出す店があるように思う・・・

以下は前川の蒲焼・うな重のメニュー

【白焼】
●2,625円

【うな重】
●3,465円
●3,990円
●4,725円

【蒲焼】
●4,725円
●5,775円
●6,825円

最後にこの日座っていた席から前川自慢の眺めを・・・



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